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乙4「比重・熱量・熱膨張・状態変化」の問題と解説
物理・化学 22問・5択
物理の分野では、比重と蒸気比重、熱量の計算と比熱、熱の伝わり方、融解・蒸発・昇華などの状態変化、沸点と圧力の関係が出題されます。どれも公式や定義を一度整理すれば解ける問題です。計算問題は単位と温度差の取り方に注意しながら、手を動かして解いてみましょう。
よく問われるポイント
- 比重(水と比べる)と蒸気比重(空気と比べる)の違い
- 熱量=比熱×質量×温度差の計算と、伝導・対流・放射
- 状態変化の名前と、外圧が高いほど沸点が高くなること
比重・熱量・熱膨張・状態変化の問題を解く
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各問題には、正解の理由と他の選択肢が誤りとなる理由を掲載しています。問題を解いた後に解説を開いて確認してください。
問1 熱の移動 熱の移動の仕方と、その例の組合せとして、誤っているものはどれか。
- ✅ (1) 冷房の冷たい空気が部屋の下のほうにたまる……伝導
- (2) 鍋を火にかけると取っ手まで熱くなる……伝導
- (3) 風呂を沸かすと、上のほうから熱くなる……対流
- (4) 太陽の熱で地面が暖まる……放射
- (5) たき火にあたると、顔が熱く感じる……放射
解説:冷たい空気は重いので下へ、暖かい空気は軽いので上へ移動します。これは流体(気体・液体)が動いて熱を運ぶ対流です。物体の中を熱が伝わるのが伝導、熱が電磁波(赤外線など)として空間を伝わるのが放射(ふく射)です。
問2 熱量の計算 20℃の水200gを70℃まで温めるのに必要な熱量はどれか。ただし、水の比熱は4.2J/(g・K)とする。
- (1) 8.4kJ
- (2) 16.8kJ
- ✅ (3) 42kJ
- (4) 58.8kJ
- (5) 84kJ
解説:熱量は「比熱 × 質量 × 温度変化」で求めます。4.2 × 200 × (70 − 20) = 4.2 × 200 × 50 = 42,000J = 42kJ です。温度変化を70℃のまま計算すると58.8kJ、20℃のまま計算すると16.8kJになり誤りです。
覚え方:熱量 Q = 比熱 × 質量 × 温度差。
問3 比熱 比熱の説明として、正しいものはどれか。
- (1) ある物体全体の温度を1K(1℃)上げるのに必要な熱量
- (2) 物質1gを、温度を変えずに蒸発させるのに必要な熱量
- (3) 物質1gを、温度を変えずに融解させるのに必要な熱量
- (4) 物質の中での熱の伝わりやすさを表す値
- ✅ (5) 物質1gの温度を1K(1℃)上げるのに必要な熱量
解説:比熱は物質1gの温度を1K上げるのに必要な熱量です。物体全体の温度を1K上げる熱量は熱容量(比熱×質量)、蒸発に必要な熱量は蒸発熱、融解に必要な熱量は融解熱、熱の伝わりやすさは熱伝導率です。水は比熱が大きく、温まりにくく冷めにくい物質です。
問4 状態変化 物質の状態変化について、誤っているものはどれか。
- (1) 固体が液体になることを融解という
- ✅ (2) 液体が固体になることを潮解という
- (3) 液体が気体になることを蒸発(気化)という
- (4) 固体が液体を経ずに直接気体になることを昇華という
- (5) 気体が液体になることを凝縮という
解説:液体が固体になることは凝固です。潮解は、固体が空気中の水分を吸って溶ける現象(例:水酸化ナトリウム)です。昇華の例にはドライアイスやナフタレンがあります。
問5 沸点 沸点について、誤っているものはどれか。
- (1) 沸点とは、液体の蒸気圧が外圧と等しくなるときの温度である
- ✅ (2) 高い山の上では、平地より水の沸点が高くなる
- (3) 外圧が高くなると、沸点は高くなる
- (4) 1気圧における水の沸点は100℃である
- (5) 不揮発性の物質が溶けた水溶液の沸点は、純粋な水の沸点より高い
解説:高い山の上は気圧(外圧)が低いので、水の沸点は100℃より低くなります。外圧が高いほど沸点は高く、低いほど沸点は低くなります。圧力鍋は外圧を高くして沸点を上げ、高い温度で調理する道具です。
問6 比重 比重と蒸気比重について、誤っているものはどれか。
- ✅ (1) 第4類の危険物の蒸気は、ほとんどが空気より軽い
- (2) 液体の比重は、その液体と同じ体積の4℃の水の質量との比で表す
- (3) 比重が1より小さく水に溶けない液体は、水に浮く
- (4) 蒸気比重は、その蒸気と同じ体積の空気の質量との比で表す
- (5) 蒸気比重が1より大きい蒸気は、低い所にたまりやすい
解説:第4類の危険物の蒸気は、ほとんどが空気より重く(蒸気比重が1より大きく)、低い所やくぼみにたまりやすい性質があります。そのため、離れた場所の火源まで流れて引火する危険があります。液体の比重は水と、蒸気比重は空気と比べた値です。
問7 熱の移動 熱伝導率が最も大きいものはどれか。
- (1) 空気
- (2) 水
- (3) 木材
- ✅ (4) 銅
- (5) ガラス
解説:金属は熱伝導率が大きく、なかでも銅や銀は特に熱を伝えやすい物質です。気体(空気)は熱伝導率が最も小さく、熱を伝えにくい物質です。
問8 熱の移動 熱の移動について、誤っているものはどれか。
- (1) 伝導は、物体の中を高温部から低温部へ熱が伝わる現象である
- ✅ (2) 気体は熱伝導率が大きいので、伝導によって熱をよく伝える
- (3) 対流は、液体や気体が移動することで熱が運ばれる現象である
- (4) 放射(ふく射)は、熱が電磁波として空間を伝わる現象である
- (5) 真空中でも、放射によって熱は伝わる
解説:気体は熱伝導率が小さく、伝導では熱を伝えにくい物質です。断熱材の多くが空気を含む構造になっているのはこのためです。
問9 熱量の計算 比熱が2.0J/(g・K)の液体200gを、10℃から40℃まで温めるのに必要な熱量はどれか。
- (1) 4kJ
- (2) 6kJ
- (3) 8kJ
- ✅ (4) 12kJ
- (5) 16kJ
解説:熱量=比熱×質量×温度差=2.0×200×(40−10)=2.0×200×30=12,000J=12kJです。
覚え方:熱量 Q = 比熱 × 質量 × 温度差。
問10 熱量の計算 100gの物体に2.1kJの熱を加えたところ、温度が10℃上がった。この物体の比熱はどれか。
- (1) 0.21J/(g・K)
- (2) 0.42J/(g・K)
- ✅ (3) 2.1J/(g・K)
- (4) 4.2J/(g・K)
- (5) 21J/(g・K)
解説:比熱=熱量÷(質量×温度差)=2,100÷(100×10)=2.1J/(g・K)です。熱量の単位をkJからJに直すのを忘れないようにしましょう。
問11 熱量の計算 同じ質量の物質A(比熱が大きい)と物質B(比熱が小さい)に、同じ熱量を加えた。正しいものはどれか。
- ✅ (1) Bのほうが温度が上がりやすい
- (2) Aのほうが温度が上がりやすい
- (3) AとBの温度上昇は同じである
- (4) 比熱が大きいほど、少ない熱量で温まる
- (5) 比熱は温まりやすさとは関係がない
解説:比熱は物質1gの温度を1K上げるのに必要な熱量なので、比熱が小さいほど少ない熱量で温度が上がります。比熱が大きい水は、温まりにくく冷めにくい物質です。
問12 熱膨張 20℃のガソリン1,000Lを40℃まで温めたとき、体積はおよそ何L増えるか。ただし、ガソリンの体膨張率を1.35×10⁻³(1/K)とする。
- (1) 1.35L
- (2) 2.7L
- (3) 13.5L
- ✅ (4) 27L
- (5) 54L
解説:増える体積=元の体積×体膨張率×温度差=1,000×1.35×10⁻³×20=27Lです。液体は温度が上がると膨張するので、容器には空間を残して詰める必要があります。
問13 熱膨張 熱膨張について、誤っているものはどれか。
- (1) 一般に、物質は温度が上がると体積が増える
- (2) 一般に、液体の体膨張は固体より大きい
- (3) 気体の体積は、圧力が一定なら温度が上がると増える
- ✅ (4) 液体は温度が上がっても、体積は変わらない
- (5) 危険物を容器に入れるときは、熱膨張を考えて空間を残す
解説:液体も温度が上がると体積が増えます。容器いっぱいに危険物を詰めると、膨張したときに容器が破損したり漏れたりするおそれがあるため、空間容積を残して収納します。
問14 状態変化 物質の状態変化と熱の出入りについて、正しいものはどれか。
- (1) 液体が気体になるとき、熱を放出する
- ✅ (2) 固体が液体になるとき、熱を吸収する
- (3) 気体が液体になるとき、熱を吸収する
- (4) 液体が固体になるとき、熱を吸収する
- (5) 状態が変わるとき、熱の出入りはない
解説:融解(固体→液体)と蒸発(液体→気体)では熱を吸収し、凝固(液体→固体)と凝縮(気体→液体)では熱を放出します。打ち水で涼しくなるのは、水が蒸発するときにまわりから熱を奪うためです。
問15 状態変化 固体が液体を経ずに直接気体になる昇華が起こる物質として、正しいものはどれか。
- (1) 食塩
- (2) 鉄
- (3) ガラス
- (4) 砂
- ✅ (5) ドライアイス
解説:ドライアイス(固体の二酸化炭素)は、常温・常圧で液体にならずに直接気体になります。ナフタレンやヨウ素も昇華する物質です。
問16 状態変化 潮解と風解について、正しいものはどれか。
- ✅ (1) 潮解は、固体が空気中の水分を吸って溶ける現象である
- (2) 潮解は、結晶が水和水を失って粉末になる現象である
- (3) 風解は、液体が気体になる現象である
- (4) 風解は、固体が空気中の水分を吸って溶ける現象である
- (5) 潮解は、気体が固体になる現象である
解説:潮解は、固体が空気中の水分を吸収して、その水に溶ける現象です(水酸化ナトリウムなど)。風解は、結晶が水和水(結晶水)を失って粉末状になる現象です。
問17 沸点 液体の沸点について、正しいものはどれか。
- (1) 外圧が低くなると、沸点は高くなる
- (2) 外圧が高くなると、沸点は低くなる
- (3) 沸点は、外圧に関係なく物質ごとに一定である
- (4) 沸点が低い液体ほど、蒸発しにくい
- ✅ (5) 液体の蒸気圧が外圧と等しくなったとき、沸騰が始まる
解説:液体の蒸気圧が外圧と等しくなると沸騰が始まり、そのときの温度が沸点です。外圧が高いほど沸点は高く、低いほど沸点は低くなります。沸点が低い液体ほど蒸発しやすい物質です。
問18 沸点 1気圧での沸点が最も低いものはどれか(数値は代表的な値)。
- ✅ (1) ジエチルエーテル(約35℃)
- (2) 水(100℃)
- (3) エタノール(約78℃)
- (4) メタノール(約64℃)
- (5) ベンゼン(約80℃)
解説:ジエチルエーテルの沸点は約35℃と低く、常温でも非常に揮発しやすい物質です。そのため特殊引火物に区分されています。
問19 比重 次の気体のうち、空気より軽いものはどれか(括弧内は分子量)。
- (1) プロパン(44)
- ✅ (2) メタン(16)
- (3) 二酸化炭素(44)
- (4) 酸素(32)
- (5) ブタン(58)
解説:空気の平均分子量は約29なので、分子量が29より小さい気体は空気より軽くなります。メタン(16)は空気より軽く、プロパン・二酸化炭素・酸素・ブタンは空気より重い気体です。
問20 比重 液体の比重について、正しいものはどれか。
- ✅ (1) 比重は、その液体と同じ体積の4℃の水の質量との比である
- (2) 比重は、その液体と同じ体積の空気の質量との比である
- (3) 比重が大きい液体ほど、水に浮きやすい
- (4) 比重には単位としてkgを付ける
- (5) 比重はすべての液体で1である
解説:液体の比重は、その液体の質量と、同じ体積の4℃の水の質量との比です。単位はありません。比重が1より大きく水に溶けない液体は、水に沈みます。
問21 比重 次の危険物のうち、液体の比重が1より大きく水に沈むものはどれか。
- (1) ガソリン
- (2) 灯油
- (3) ジエチルエーテル
- (4) ベンゼン
- ✅ (5) 二硫化炭素
解説:二硫化炭素は比重が約1.3で水より重い物質です。水に溶けないので、水を張った容器で貯蔵して蒸気の発生を防ぎます。ほかに水より重い第4類としては、グリセリンや酢酸などがあります。ガソリン・灯油・ジエチルエーテル・ベンゼンは水より軽い物質です。
問22 比重 第4類の危険物のうち、液体の比重が1より大きい(水より重い)ものの組合せとして、正しいものはどれか。
- (1) ガソリン、灯油
- (2) ベンゼン、トルエン
- ✅ (3) 二硫化炭素、グリセリン
- (4) エタノール、アセトン
- (5) 軽油、重油
解説:二硫化炭素(約1.3)とグリセリン(約1.26)は水より重い液体です。ほかの組合せの物質は、いずれも水より軽い液体です。