乙4「燃焼のしくみ」の問題と解説
物理・化学 16問・5択
燃焼は、熱と光の発生を伴う酸化反応です。燃えるには可燃物・酸素供給源・点火源の3つがそろう必要があり、物質によって燃え方(表面燃焼・分解燃焼・蒸発燃焼・自己燃焼)が違います。自然発火や不完全燃焼もあわせて、物理・化学の科目の土台になる知識を問題で確かめましょう。
よく問われるポイント
- 燃焼の3要素と、燃焼が起こらない組合せ
- 燃焼の仕方(木炭・コークスは表面燃焼、ガソリンは蒸発燃焼など)
- 自然発火のしくみと、一酸化炭素が発生する不完全燃焼
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問1 燃焼の3要素 燃焼の3要素(可燃物・酸素供給源・点火源)の組合せとして、燃焼が起こらないものはどれか。
- ✅ (1) 二酸化炭素・空気・電気の火花
- (2) ガソリン・空気・静電気の火花
- (3) 木材・酸素・マッチの炎
- (4) 水素・空気・電気の火花
- (5) 灯油・酸素・ライターの炎
解説:二酸化炭素はそれ以上酸化されない不燃性の物質なので、可燃物になりません。燃焼には「可燃物」「酸素供給源」「点火源(熱源)」の3つがそろう必要があります。ほかの組合せは、ガソリン・木材・水素・灯油が可燃物、空気や酸素が酸素供給源、火花や炎が点火源としてそろっています。
問2 燃焼の定義 燃焼の説明として、正しいものはどれか。
- (1) 熱の発生を伴う還元反応
- (2) 光の発生を伴う分解反応
- (3) 熱を吸収する酸化反応
- ✅ (4) 熱と光の発生を伴う酸化反応
- (5) 熱と光の発生を伴う中和反応
解説:燃焼とは、熱と光の発生を伴う酸化反応のことです。鉄がさびるのも酸化反応ですが、熱や光をほとんど出さないので燃焼とはいいません。
問3 燃焼の仕方 物質とその燃焼の仕方の組合せとして、誤っているものはどれか。
- (1) ガソリン……蒸発燃焼
- (2) 木炭……表面燃焼
- (3) 木材……分解燃焼
- ✅ (4) コークス……自己燃焼
- (5) 硫黄……蒸発燃焼
解説:コークスは木炭と同じく、固体の表面で酸素と反応して燃える表面燃焼です。自己燃焼(内部燃焼)は、セルロイドやニトロセルロースのように分子内に酸素を含む物質の燃え方です。液体(ガソリンなど)は液面から蒸発した蒸気が燃える蒸発燃焼、木材や石炭は加熱で分解したガスが燃える分解燃焼、硫黄やナフタレンは固体でも蒸発燃焼をします。
覚え方:表面燃焼は「木炭・コークス」、自己燃焼は「セルロイド・ニトロセルロース」。
問4 自然発火 自然発火について、誤っているものはどれか。
- (1) 乾性油をしみ込ませた布を積み重ねておくと、酸化熱が蓄積して自然発火することがある
- (2) 自然発火は、物質が空気中で発熱し、その熱が蓄積して発火点に達することで起こる
- (3) 通風が悪く熱がこもりやすい場所ほど、自然発火は起こりやすい
- ✅ (4) 動植物油類のうち、ヨウ素価の小さいものほど自然発火しやすい
- (5) 活性炭のように、吸着熱によって発熱し自然発火するものもある
解説:ヨウ素価は油が空気中の酸素とどれだけ結びつきやすいかの目安で、ヨウ素価が大きい(乾性油)ほど酸化しやすく自然発火しやすくなります。アマニ油・キリ油などの乾性油が代表例です。自然発火の原因となる熱には、酸化熱のほか、分解熱・吸着熱・発酵熱・重合熱などがあります。
覚え方:ヨウ素価が大きい=乾性油=自然発火しやすい。
問5 不完全燃焼 一酸化炭素について、誤っているものはどれか。
- (1) 有機物が不完全燃焼すると発生する
- (2) 無色・無臭の気体である
- (3) 毒性が強い
- (4) 空気中で燃焼し、青白い炎を出して二酸化炭素になる
- ✅ (5) 不燃性の気体で、消火剤として使われる
解説:一酸化炭素は可燃性の気体で、燃えると二酸化炭素になります。消火剤として使われるのは、それ以上燃えない二酸化炭素のほうです。一酸化炭素は酸素が不足した状態の燃焼(不完全燃焼)で発生し、無色・無臭で毒性が強いため気づきにくく危険です。
問6 燃焼の3要素 燃焼の3要素のうち「酸素供給源」になり得るものとして、正しいものはどれか。
- (1) 窒素
- (2) 二酸化炭素
- ✅ (3) 空気
- (4) ヘリウム
- (5) 水蒸気
解説:空気には酸素が約21%含まれているので、酸素供給源になります。窒素・二酸化炭素・ヘリウム・水蒸気は燃焼を助けない気体です。第1類や第6類の危険物のように、分子内の酸素を放出してほかの物質を燃やす物質も酸素供給源になります。
問7 燃焼の3要素 燃焼について、誤っているものはどれか。
- (1) 燃焼には、可燃物・酸素供給源・点火源(熱源)の3つが必要である
- (2) 3要素のうち1つでも取り除けば、燃焼は止まる
- ✅ (3) 点火源がなくても、可燃物と酸素がそろえば必ず燃焼が始まる
- (4) 可燃物がそれ以上酸化されない物質(二酸化炭素など)は、燃焼しない
- (5) 酸化剤は、それ自体が燃えなくても酸素供給源になることがある
解説:可燃物と酸素がそろっていても、点火源(熱)がなければ、ふつうは燃焼は始まりません。物質が発火点以上に加熱された場合は、外から火を近づけなくても燃え出します(これも熱が点火源の役割をしています)。
問8 燃焼の3要素 燃焼が起こらない組合せはどれか。
- ✅ (1) 窒素……空気……電気の火花
- (2) 灯油……空気……ライターの炎
- (3) 水素……酸素……電気の火花
- (4) 一酸化炭素……空気……炎
- (5) メタン……空気……静電気の火花
解説:窒素は燃えない気体なので、可燃物になりません。一酸化炭素は可燃性の気体で、空気中で燃えて二酸化炭素になります。
問9 燃焼の仕方 物質と燃焼の仕方の組合せとして、正しいものはどれか。
- ✅ (1) セルロイド……自己燃焼(内部燃焼)
- (2) ナフタレン……分解燃焼
- (3) 石炭……表面燃焼
- (4) 紙……蒸発燃焼
- (5) 灯油……表面燃焼
解説:セルロイドは分子内に酸素を含み、外部から酸素が供給されなくても燃える自己燃焼(内部燃焼)をします。ナフタレンは蒸発燃焼、石炭と紙は分解燃焼、灯油は蒸発燃焼です。
問10 燃焼の仕方 気体の燃焼について、正しいものはどれか。
- (1) 可燃性の気体と空気をあらかじめ混ぜてから燃やす燃焼を、拡散燃焼という
- (2) 可燃性の気体が空気と混ざりながら燃える燃焼を、予混合燃焼という
- (3) ろうそくの炎は、予混合燃焼である
- (4) 気体は、蒸発燃焼をする
- ✅ (5) ガスバーナーで、ガスと空気をあらかじめ混ぜて燃やす燃焼は、予混合燃焼である
解説:可燃性ガスと空気をあらかじめ混ぜてから燃やすのが予混合燃焼、ガスが空気中に拡散して混ざりながら燃えるのが拡散燃焼です。ろうそくは、ろうが溶けて蒸発した気体が空気と混ざりながら燃える燃え方です。
問11 燃焼の仕方 可燃物の燃えやすさについて、誤っているものはどれか。
- (1) 酸化されやすいものほど燃えやすい
- (2) 空気との接触面積が大きいものほど燃えやすい
- (3) 発熱量が大きいものほど燃えやすい
- (4) 周囲の温度が高いほど燃えやすい
- ✅ (5) 熱伝導率が大きいものほど燃えやすい
解説:熱伝導率が大きい物質は、熱がまわりに逃げてしまい温度が上がりにくいので、燃えにくくなります。熱伝導率が小さいものほど燃えやすいと覚えましょう。粉末状の物質が燃えやすいのは、空気との接触面積が大きいためです。
問12 燃焼の定義 燃焼と酸化について、正しいものはどれか。
- (1) すべての酸化反応は燃焼である
- (2) 鉄がゆっくりさびる反応は、燃焼である
- (3) 燃焼は、還元反応の一種である
- ✅ (4) 燃焼は、熱と光の発生を伴う激しい酸化反応である
- (5) 燃焼では、熱が吸収される
解説:燃焼は、熱と光の発生を伴う激しい酸化反応です。鉄がさびるのも酸化反応ですが、熱や光をほとんど出さずにゆっくり進むので燃焼とはいいません。
問13 自然発火 自然発火の原因となる熱と物質の組合せとして、誤っているものはどれか。
- (1) 酸化熱……乾性油
- (2) 分解熱……セルロイド
- ✅ (3) 酸化熱……二酸化炭素
- (4) 吸着熱……活性炭
- (5) 発酵熱……たい肥
解説:二酸化炭素はそれ以上酸化されないので、酸化熱で自然発火することはありません。乾性油は酸化熱、セルロイドは分解熱、活性炭は吸着熱、たい肥や干し草は発酵熱で自然発火することがあります。
問14 自然発火 自然発火を起こしやすい条件として、誤っているものはどれか。
- (1) 発熱量が大きい
- (2) 熱伝導率が小さい
- (3) 空気と接する表面積が大きい
- (4) 周囲の温度が高い
- ✅ (5) 通風がよく、熱が逃げやすい
解説:通風がよいと熱が逃げるので、自然発火は起こりにくくなります。自然発火は、物質が発熱し、その熱がたまって発火点に達することで起こるため、熱がたまりやすい条件(通風が悪い、熱伝導率が小さいなど)で起こりやすくなります。
問15 自然発火 動植物油の自然発火について、正しいものはどれか。
- (1) ヨウ素価が小さい油ほど自然発火しやすい
- (2) 不乾性油は、乾性油より自然発火しやすい
- (3) 油を布にしみ込ませると、空気との接触面積が小さくなり自然発火しにくくなる
- ✅ (4) ヨウ素価が大きい油は、空気中の酸素と結びつきやすく自然発火しやすい
- (5) 動植物油類は、自然発火することはない
解説:ヨウ素価は油の不飽和度(酸素と結びつきやすさ)の目安で、ヨウ素価が大きいほど酸化しやすく自然発火しやすくなります。乾性油(アマニ油・キリ油など)がこれにあたります。布にしみ込ませると接触面積が大きくなり、さらに自然発火しやすくなります。
問16 不完全燃焼 有機物が不完全燃焼したときに発生しやすい物質はどれか。
- (1) 酸素
- (2) 窒素
- ✅ (3) 一酸化炭素
- (4) 水素
- (5) オゾン
解説:酸素が不足した状態で有機物が燃える(不完全燃焼する)と、二酸化炭素になりきれずに一酸化炭素やすすが発生します。一酸化炭素は無色・無臭で毒性が強い気体です。