第4類(引火性液体)の危険物は、引火点などによって7つの品名に分けられています。品名は、法令(指定数量)と性質(物質の性状)の両方の科目で使う土台の知識です。この記事では、品名の決まり方と代表物質を、覚え方のコツと一緒に整理します。
7つの品名は引火点の低い順
第4類の品名は、危険な(引火しやすい)順に、次の7つが並んでいます。
- 特殊引火物
- 第1石油類
- アルコール類
- 第2石油類
- 第3石油類
- 第4石油類
- 動植物油類
アルコール類だけは、引火点ではなく「物質の種類」で決まる品名です。メタノール(約11℃)やエタノール(約13℃)の引火点は第1石油類と同じく21℃未満ですが、品名は第1石油類ではなくアルコール類として別に扱われます。並び順の位置は、指定数量(400L)が第1石油類(200L)と第2石油類(1,000L)の間にあることと合わせて覚えましょう。
品名の決まり方(1気圧)
| 品名 | 決まり方 |
|---|---|
| 特殊引火物 | 発火点が100℃以下、または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下 |
| 第1石油類 | 引火点が21℃未満 |
| アルコール類 | 炭素数1〜3の飽和1価アルコール(含有量60%未満の水溶液は除く) |
| 第2石油類 | 引火点が21℃以上70℃未満 |
| 第3石油類 | 引火点が70℃以上200℃未満 |
| 第4石油類 | 引火点が200℃以上250℃未満 |
| 動植物油類 | 動物・植物から取り出した油で、引火点が250℃未満 |
石油類の境目の数字は「21・70・200・250」です。どれも「未満」で区切られていて、境目の数字ちょうどは上の品名に入ります。たとえば引火点がちょうど70℃なら、第2石油類ではなく第3石油類です。
特殊引火物の数字は「発火100、引火-20、沸点40」と覚えます。二硫化炭素は発火点(約90℃)で、ジエチルエーテルは引火点と沸点で特殊引火物になります。
代表物質と水溶性
| 品名 | 非水溶性の代表 | 水溶性の代表 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | ジエチルエーテル、二硫化炭素 | アセトアルデヒド |
| 第1石油類 | ガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル | アセトン |
| アルコール類 | ― | メタノール、エタノール |
| 第2石油類 | 灯油、軽油、キシレン | 酢酸 |
| 第3石油類 | 重油、クレオソート油 | グリセリン、エチレングリコール |
| 第4石油類 | ギヤー油、シリンダー油 | ― |
| 動植物油類 | アマニ油、ナタネ油、ヤシ油 | ― |
水溶性の物質は、火災のときに普通の泡消火剤が溶けて消えてしまうため、水溶性液体用(耐アルコール)の泡を使います。消火の考え方は消火剤の使い分けで解説しています。
ひっかけで出やすい物質
- ブタノール:アルコールという名前ですが、炭素数が4なのでアルコール類ではなく第2石油類です。
- 灯油と軽油:どちらも第2石油類。ガソリン(第1石油類)と混同しないようにします。
- 重油:第3石油類。灯油・軽油より引火点が高いグループです。
- ギヤー油:第4石油類。「油」が付くので動植物油類と間違えやすい物質です。
- アセトン:第1石油類の水溶性。指定数量は400Lで、非水溶性の200Lの2倍です。
品名ごとの指定数量は指定数量とは?倍数の計算方法にまとめています。
第4類に共通する性質
品名とあわせて、第4類全体に共通する性質も押さえておきましょう。
- 引火性の液体で、火気に近づけると引火しやすい
- 蒸気は空気より重く、低い所にたまりやすい
- 液体は水より軽く、水に溶けないものが多い(二硫化炭素やグリセリンなど、水より重いものもある)
- 電気を通しにくく、静電気がたまりやすい
性質の問題では、これらを逆にした「蒸気は空気より軽い」「水に溶けやすいものが多い」といった選択肢がよく出ます。
例題で確認しよう
例題1 引火点が70℃の液体(1気圧)は、どの品名に該当するか。 (1)第1石油類 (2)第2石油類 (3)第3石油類 (4)第4石油類 (5)動植物油類
答えは(3)です。第2石油類は「70℃未満」なので、ちょうど70℃は第3石油類になります。
例題2 品名と物質の組合せとして、誤っているものはどれか。 (1)特殊引火物……二硫化炭素 (2)第1石油類……トルエン (3)アルコール類……エタノール (4)第2石油類……軽油 (5)第3石油類……ギヤー油
答えは(5)です。ギヤー油は第4石油類です。
まとめ
- 品名は「特殊・1石・アルコール・2石・3石・4石・動植物」の7つ
- 石油類の境目は「21・70・200・250」で、すべて未満で区切る
- 特殊引火物は「発火100、または引火-20かつ沸点40」
- 水溶性の代表はアセトン・アルコール類・酢酸・グリセリンなど
物質ごとの引火点や比重は第4類の暗記表で一覧にしています。性質・消火の一問一答で覚えたかどうか確かめましょう。