静電気の問題は、「静電気がたまりやすい条件」と「防ぐ方法」の2つを押さえれば、ほとんど解けます。第4類の危険物の多くは電気を通しにくく、流したりかき混ぜたりすると静電気が発生してたまりやすい性質があります。たまった静電気が放電すると火花が出て、可燃性の蒸気に火がつくことがあるため、乙4では重要なテーマです。
静電気が起きるしくみ
2つの物体がこすれたり、くっついて離れたりすると、一方の物体からもう一方へ電子が移動します。電子を受け取った側はマイナス、失った側はプラスに帯電します。これが静電気です。
電気を通しやすい物体(導体)なら、たまった電気はすぐに逃げていきます。電気を通しにくい物体(不導体)では電気が逃げにくく、どんどんたまります。第4類の危険物の多くは不導体なので、静電気がたまりやすいのです。
なお、静電気で移動するのは電子です。「陽子が移動して帯電する」という選択肢は誤りです。
たまりやすい条件
| 条件 | たまりやすいのは | 理由 |
|---|---|---|
| 物質の電気の通しやすさ | 電気を通しにくい(不導体) | 電気が逃げにくい |
| 湿度 | 低い(乾燥している) | 空気中の水分を伝って電気が逃げにくい |
| 液体の流速 | 速い | こすれ合いが激しくなり、発生量が増える |
| 衣服の素材 | 合成繊維(ナイロン・ポリエステルなど) | 帯電しやすく、電気が逃げにくい |
冬の乾燥した日にドアノブで「バチッ」とするのを思い出すと、湿度との関係は覚えやすいでしょう。
防ぐ方法
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 容器や配管を接地(アース)する | たまった電気を地面に逃がす |
| 室内の湿度を高くする | 空気中の水分を伝って電気が逃げやすくなる |
| 液体を送る流速を遅くする | 発生する静電気を減らす |
| 木綿の衣服、除電服・帯電防止靴を着用する | 人の体にたまるのを防ぐ |
| 導電性の材料を使う | 電気が逃げやすくなる |
逆に、「接地せずに絶縁する」「合成繊維の衣服を着る」「流速を速くする」は、静電気をためる方向の行動です。選択肢の中から、これらの逆向きの文を探すのが、静電気の問題を解くコツです。
静電気がからむ事故の典型
静電気による火災が起きやすいのは、次のような場面です。
- タンクや容器に危険物を勢いよく注ぎ込むとき
- 危険物を入れた容器をかき混ぜたり、振ったりするとき
- 乾燥した日に、合成繊維の服を着て作業するとき
- 配管やホースの中を、危険物が速い流れで通るとき
どれも「こすれ合いが多い」「電気が逃げにくい」という条件がそろっています。対策も、この2つを逆にすることだと考えれば、表を丸暗記しなくても答えを導けます。
給油や詰め替えのときの注意
ガソリンを容器に詰め替えるときは、容器を接地し、注入する速度を遅くし、周囲で火気を使わず、換気をよくします。灯油用のプラスチック製容器(ポリ容器)は、電気を通しにくく静電気がたまりやすいうえ、ガソリン用の容器ではないので、ガソリンを入れてはいけません。
ガソリンは引火点が-40℃以下で、ふつうの気温でも引火する蒸気を出しています。小さな放電火花でも火がつくおそれがあるのはこのためです。引火のしくみは引火点・発火点・燃焼点の違いで解説しています。
例題で確認しよう
例題1 静電気について、誤っているものはどれか。 (1)電気を通しにくい物質ほど静電気がたまりやすい (2)湿度が低いほど静電気がたまりやすい (3)液体を配管で送るとき、流速が速いほど静電気が発生しやすい (4)静電気の放電火花は、可燃性蒸気の点火源になることがある (5)静電気の発生を防ぐには、容器を接地せずに絶縁しておくのがよい
答えは(5)です。接地して電気を地面に逃がすのが正しい対策です。
例題2 静電気の蓄積を防ぐ方法として、効果がないものはどれか。 (1)配管を接地する (2)湿度を高くする (3)流速を遅くする (4)合成繊維の作業服を着る (5)帯電防止靴を履く
答えは(4)です。
まとめ
- 静電気は、こすれたり離れたりするときに電子が移動して起きる
- たまりやすいのは「不導体・乾燥・流速が速い・合成繊維」
- 防ぐ方法は「接地・加湿・流速を遅く・除電服や帯電防止靴」
- 問題では、たまる方向と防ぐ方向を逆にした文を探す
物理・化学の一問一答で静電気の問題を解いてみましょう。消火の考え方は消火剤の使い分けで整理しています。仕上げには模擬試験がおすすめです。