乙4の法令では、「この手続きは許可か、届出か」「期限は10日前か、遅滞なくか」を入れ替えたひっかけがよく出ます。手続きは許可・認可・承認・届出の4種類に分けて覚えるのが近道です。この記事では、それぞれの手続きを、申請先と期限つきで整理します。
4種類の手続きのちがい
| 種類 | 意味 | 主な例 |
|---|---|---|
| 許可 | 原則禁止されていることを、申請により認めてもらう | 製造所等の設置、位置・構造・設備の変更 |
| 認可 | 決めた内容を行政に認めてもらう | 予防規程の作成・変更 |
| 承認 | 例外的な扱いを認めてもらう | 仮使用、仮貯蔵・仮取扱い |
| 届出 | 行ったこと・行うことを知らせる | 品名・数量の変更、譲渡・引渡し、用途の廃止、保安監督者の選任・解任 |
ポイントは、「工事が必要な変更は許可、工事をしない変更は届出」という区別です。同じ「変更」でも、位置・構造・設備を変えるなら許可、貯蔵する危険物の品名や数量だけを変えるなら届出になります。
設置・変更は許可 → 完成検査 → 使用開始
製造所等を設置するとき、または位置・構造・設備を変更するときは、市町村長等の許可を受けます。申請先は、消防本部と消防署がある市町村なら市町村長、ない市町村なら都道府県知事です(移送取扱所は別の定めがあります)。
流れは次のとおりです。
- 設置(変更)の許可を申請する
- 許可を受けてから工事をする
- 工事が終わったら完成検査を受ける
- 基準に合っていると認められ、完成検査済証の交付を受けてから使用を始める
許可を受けていても、完成検査の前に使い始めることはできません。この点を逆にした選択肢は定番のひっかけです。
承認が必要な2つの手続き
| 手続き | 内容 | 承認する人 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 仮使用 | 変更工事中に、工事と関係のない部分を使い続ける | 市町村長等 | 工事の間 |
| 仮貯蔵・仮取扱い | 製造所等以外の場所で、指定数量以上を一時的に貯蔵・取り扱う | 所轄の消防長または消防署長 | 10日以内 |
仮使用は「工事をしている部分」は使えず、「工事と関係のない部分」だけを使えます。仮貯蔵は承認する人が市町村長等ではなく消防長・消防署長である点も、よく入れ替えられます。
届出の期限は「10日前」と「遅滞なく」
| 届出 | 期限 | 届出先 |
|---|---|---|
| 貯蔵・取り扱う危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更 | 変更しようとする日の10日前まで | 市町村長等 |
| 製造所等の譲渡・引渡し(地位を受け継いだ人が届け出る) | 遅滞なく | 市町村長等 |
| 製造所等の用途の廃止 | 遅滞なく | 市町村長等 |
| 危険物保安監督者の選任・解任 | 遅滞なく | 市町村長等 |
「10日前まで」は、品名・数量・倍数の変更だけです。それ以外の届出はすべて「遅滞なく」と覚えておけば、期限の問題はほぼ解けます。品名・数量の変更は、変更によって指定数量の倍数が変わり、必要な設備が変わることがあるため、事前に知らせる決まりになっています。倍数の計算は指定数量とは?倍数の計算方法で解説しています。
例題で確認しよう
例題1 次のうち、市町村長等の許可を受けなければならないものはどれか。 (1)製造所の位置・構造・設備の変更 (2)貯蔵する危険物の品名の変更 (3)製造所等の譲渡 (4)製造所等の用途の廃止 (5)危険物保安監督者の選任
答えは(1)です。(2)は10日前までの届出、(3)〜(5)は遅滞なく届出です。
例題2 製造所等以外の場所で、指定数量以上の危険物を仮に貯蔵する場合の手続きとして、正しいものはどれか。 (1)市町村長等の許可を受け、30日以内 (2)所轄の消防長または消防署長の承認を受け、10日以内 (3)都道府県知事に届け出て、10日以内 (4)市町村長等の承認を受け、7日以内 (5)手続きは不要
答えは(2)です。
まとめ
- 工事が必要な変更(位置・構造・設備)は許可、品名・数量だけの変更は届出
- 許可 → 工事 → 完成検査 → 完成検査済証 → 使用開始。検査前の使用は不可
- 仮使用は市町村長等の承認、仮貯蔵は消防長・消防署長の承認で10日以内
- 届出の「10日前まで」は品名・数量・倍数の変更だけ。ほかは遅滞なく
- 予防規程は認可
どの施設に何が必要かは定期点検・予防規程・保安監督者が必要な施設で整理しています。法令の一問一答や模擬試験で、手続きの問題に慣れておきましょう。