定期点検・予防規程・危険物保安監督者は、どれも「どの製造所等に必要か」を一覧で問われるテーマです。結論からいうと、定期点検と予防規程はほぼ同じ施設が対象で、保安監督者は「ほとんどの施設に必要で、例外を覚える」タイプです。この記事では、3つの対象を表で比べながら整理します。
まずは3つの制度の中身
| 制度 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 定期点検 | 製造所等の位置・構造・設備が基準に合っているかを、定期的に点検して記録する | 記録を保存する(届出は不要) |
| 予防規程 | 火災を予防するために、所有者等が定める保安のルール | 市町村長等の認可が必要 |
| 危険物保安監督者 | 危険物の取扱作業の保安を監督する人 | 選任・解任したら遅滞なく届出 |
「予防規程は届出ではなく認可」「定期点検の結果は届け出なくてよい」という2点は、ひっかけでよく使われます。
定期点検と予防規程の対象
定期点検と予防規程は、次の施設が共通の土台になっています(危険物の規制に関する政令 第7条の3)。
| 施設 | 対象になる倍数 |
|---|---|
| 製造所 | 指定数量の10倍以上 |
| 屋内貯蔵所 | 150倍以上 |
| 屋外タンク貯蔵所 | 200倍以上 |
| 屋外貯蔵所 | 100倍以上 |
| 移送取扱所 | すべて |
| 一般取扱所 | 10倍以上(一部の例外あり) |
この土台に、それぞれ次の施設が加わります。
- 定期点検:地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所(数量に関係なくすべて)、地下タンクを持つ製造所・給油取扱所・一般取扱所
- 予防規程:給油取扱所
逆に、屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・販売取扱所は、定期点検の対象になりません。数字は「製造所10・屋外100・屋内150・屋外タンク200」と、小さい順に覚えると整理しやすくなります。
定期点検の数字
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 原則として1年に1回以上 |
| 記録の保存 | 原則3年間(移動貯蔵タンクの漏れの点検は10年間など、例外あり) |
| 点検する人 | 危険物取扱者または危険物施設保安員。危険物取扱者の立会いがあれば、それ以外の人も行える |
| 届出 | 不要(記録を作って保存する) |
点検記録には、製造所等の名称、点検の方法と結果、点検年月日、点検した人(または立ち会った危険物取扱者)の氏名を記載します。
危険物保安監督者は「例外」を覚える
危険物保安監督者は、甲種または乙種の危険物取扱者で、製造所等で6か月以上の実務経験がある人から選びます。丙種はなれません。乙種は、免状を受けた類の危険物を扱う施設でだけ保安監督者になれます。
製造所・屋外タンク貯蔵所・給油取扱所・移送取扱所は、品名や数量にかかわらず必ず保安監督者が必要です。一方、必要ないのは主に次のような施設です。
- 移動タンク貯蔵所(すべて不要)
- 引火点40℃以上の第4類だけを扱う屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・販売取扱所
- 引火点40℃以上の第4類だけを指定数量の30倍以下で扱う屋内貯蔵所・地下タンク貯蔵所
- 指定数量の30倍以下の屋外貯蔵所
「引火点40℃以上の第4類だけ」と「30倍以下」がキーワードです。
例題で確認しよう
例題1 定期点検を実施しなくてもよい施設はどれか。 (1)地下タンク貯蔵所 (2)移動タンク貯蔵所 (3)簡易タンク貯蔵所 (4)移送取扱所 (5)地下タンクを有する給油取扱所
答えは(3)です。簡易タンク貯蔵所は、屋内タンク貯蔵所・販売取扱所とともに定期点検の対象外です。
例題2 予防規程について、正しいものはどれか。 (1)定めたら市町村長等に届け出ればよい (2)定めたとき・変更するときは市町村長等の認可を受ける (3)危険物保安監督者が定める (4)定期点検の結果を記録したものをいう (5)移動タンク貯蔵所には必ず必要である
答えは(2)です。予防規程は所有者等が定め、市町村長等の認可を受けます。
まとめ
- 定期点検と予防規程は、製造所10・屋外100・屋内150・屋外タンク200倍以上、移送取扱所、一般取扱所10倍以上が共通の土台
- 定期点検には地下タンク・移動タンク、予防規程には給油取扱所が加わる
- 定期点検は年1回以上・記録3年保存・届出不要。予防規程は認可
- 保安監督者は甲種・乙種で実務6か月以上。移動タンク貯蔵所は不要
手続きの期限は許可と届出の違い、施設の位置のルールは保安距離と保有空地の違いで解説しています。覚えたら法令の一問一答で確認しましょう。